セルフホスティング型n8nのアップデート

このページでは、Docker 環境でセルフホスティングしている n8n を安全にアップデートする手順を解説します。n8n は自動アップデートされないため、定期的にご自身で更新が必要です。

前提:本記事の操作は、「n8nセルフホスティング完全ガイド」で構築した環境(Docker Compose/ボリューム永続化)を使用しています。環境が異なる場合は、サービス名やボリューム名などを読み替えてください。

目次

なぜアップデートが必要?

  • セキュリティ修正:脆弱性対応や依存パッケージ更新が含まれる場合があります。
  • 不具合修正:既知のバグが解消され、安定性が向上します。
  • 新機能・改善:UI/ノード/ワークフロー実行基盤(Task Runners など)の改善が入ります。

公式でもこまめな更新が推奨されています。特に本番運用の場合は、少なくとも月1回の定期メンテナンスをおすすめします。

頻繁にアップデートしましょう。複数のバージョンを一度にアップデートする必要がなくなり、アップデートによる混乱のリスクを軽減できます。少なくとも月に1回はアップデートするようにしてください。

https://docs.n8n.io/hosting/installation/updating/

n8n の UI 左下やサイドバーに Updates が表示されていれば、更新可能のサインです。クリックするとバージョン差分の概要を確認できます。

n8nのUpdates表示

バックアップ

アップデート前に、n8n の永続データが入っている Docker ボリュームをバックアップします(例:ボリューム名 n8n_n8n_data)。

cd /opt/n8n

# 例: ボリューム名が n8n_n8n_data の場合
VOL=n8n_n8n_data

docker run --rm -v $VOL:/data -v $(pwd):/backup busybox \
 sh -c 'tar -czf /backup/n8n_backup_$(date +%F).tgz -C /data . && ls -lh /backup'
STEP
STEP

アップデート実行

docker compose pullコンテナレジストリ(Docker Hub など)から最新イメージを取得します。その後、差し替えて起動します。

cd /opt/n8n

# 最新イメージ取得
docker compose pull n8n

# 停止
docker compose down

# 起動
docker compose up -d

動作確認

# ログ(DBマイグレーションやエラーの有無を確認)
docker compose logs -f n8n

# 稼働確認
docker compose ps

# バージョン表示
docker exec n8n n8n --version

UI の Updates 表示が消えていること、既存ワークフローの実行・編集、Webhook の受信などが正常であることを確認します。

更新後の確認

ロールバック(不具合時)

アップデート後に不具合が出た場合は、状況に応じて次のどちらかで切り戻します。

  • タグ/Digestで戻す: アプリのバイナリ(n8n本体のバージョン)を戻す。データ(ワークフロー・認証情報・実行履歴など)はそのまま残る
  • tgzで戻す: データ領域(/home/node/.n8n)をバックアップ時点に戻す。n8n本体のバージョンは戻らない(必要ならタグ/Digestと併用)。

パターンA:タグ/Digestでのロールバック(イメージだけ戻す)

  • こんな時に: アプリの不具合・互換性問題が疑わしく、データ自体は壊れていない場合。
  • ポイント: 以前に動いていた image:(例:n8nio/n8n:1.yy.z)や @sha256:… の Digest に戻します。Digest 固定は完全再現が可能です。
cd /opt/n8n

# (1) 以前に動いていたタグ/Digestを選ぶ
# 例: image: n8nio/n8n:1.yy.z または n8nio/n8n@sha256:xxxxxxxx
# 補助: ローカルの履歴を確認
# docker images --digests n8nio/n8n

# (2) docker-compose.yml の image を以前の値へ変更
# image: n8nio/n8n:1.yy.z
# # もしくは Digest 固定
# # image: n8nio/n8n@sha256:xxxxxxxx

# (3) 切り戻し実行
docker compose pull n8n
docker compose down
docker compose up -d

# (4) 仕上げ確認
docker exec n8n n8n --version

パターンB:バックアップからのロールバック(ボリューム復元)

  • こんな時に: マイグレーション失敗・設定破損・ワークフローや資格情報の不整合など、データそのものを元に戻したい場合。
  • 前提: 事前に作成した n8n_backup_YYYY-MM-DD.tgz を使います。復元中は n8n を停止してください。
cd /opt/n8n

# (1) n8n を止める
docker compose down

# (2) 復元対象(例)
VOL=n8n_n8n_data
BACKUP=n8n_backup_2025-08-27.tgz # 実ファイル名に置き換え

# (3) ボリュームを中身ごと置き換え(BusyBoxを使用)
docker run --rm -v $VOL:/data -v $(pwd):/backup busybox \
 sh -c "rm -rf /data/* && tar -xzf /backup/$BACKUP -C /data && \
 chown -R 1000:1000 /data && ls -lah /data | head"

# (4) n8n を起動
docker compose up -d

# (5) ログとバージョン確認
docker compose logs -f n8n
docker exec n8n n8n --version

まとめ

  • アップデート前にボリュームをバックアップ(tgz)。
  • 通常の更新は pull → down → up -d の3ステップ。
  • 不具合時は タグ/Digestでイメージを戻す or tgzでデータを戻す(必要に応じて両方)。

お問い合わせ

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
メールアドレス
ご相談内容
同意事項
プライバシーポリシー

株式会社PRODUCEWAVES

最終更新日:2023年10月26日


株式会社PRODUCEWAVES(以下「当社」といいます)は、お客様の個人情報を尊重し、適切に取り扱うことを重要な責務と考えております。本プライバシーポリシーでは、当社のウェブサイト及びサービスにおける個人情報の収集・利用・保護に関する方針を定めております。


1. 収集する個人情報

当社は、以下の場合にお客様の個人情報を収集することがあります。


お問い合わせをいただいた場合

イベントにご登録いただいた場合

当社サービスをご利用いただく場合

収集する個人情報には、氏名、メールアドレス、電話番号などが含まれますが、必要な範囲内に限定して収集いたします。


2. 個人情報の利用目的

当社は、収集した個人情報を以下の目的で利用いたします。


お客様からのお問い合わせへの対応

当社サービスの提供及び改善

ウェブサイトの品質向上

お客様に最適な情報提供及び体験の実現

3. 個人情報の第三者提供

当社は、以下のいずれかに該当する場合を除き、お客様の個人情報を第三者に提供いたしません。


お客様ご本人の同意がある場合

法令に基づく場合

お客様との契約の履行のために必要な範囲で委託先に提供する場合

当社の合併、事業譲渡等の事由による事業承継に伴う場合

4. 個人情報の安全管理

当社は、個人情報の漏洩、滅失、毀損等を防止するため、適切なセキュリティ対策を講じ、個人情報の安全管理に努めます。また、個人情報を取り扱う従業者に対し、適切な監督を行います。


5. お客様の権利

お客様は、当社が保有するご自身の個人情報について、開示、訂正、利用停止、削除等を請求する権利を有しています。これらの権利を行使されたい場合は、下記のお問い合わせ先までご連絡ください。


6. 未成年者の個人情報

当社のサービスは18歳未満の方を対象としておりません。当社は、18歳未満の方の個人情報を意図的に収集することはありません。18歳未満の方が当社に個人情報を提供された場合、保護者の同意を得たうえでご連絡いただきますようお願いいたします。


7. プライバシーポリシーの変更

当社は、必要に応じて本プライバシーポリシーを変更することがあります。変更した場合は、当社ウェブサイト上に変更後のプライバシーポリシーを掲載し、効力発生日を更新いたします。


8. お問い合わせ

本プライバシーポリシーに関するご質問やお問い合わせは、下記までご連絡ください。


株式会社PRODUCEWAVES

メールアドレス:info@producewaves.com


目次